法人化診断
- 個人事業主の方が法人化した方が良いのか
- 新規に開業する場合、個人事業主で始めた方が良いのか、法人で始めた方が良いのか
このような疑問をお持ちの方は、ぜひ一度ご来所下さい。
それぞれの方の業種、売上、利益などの条件をお聞きして回答します。
法人化した方が税金が安くなることがある
「法人化した方が税金が安くなる」と言われることがあります。
その大きな理由は次の2つです。
- 法人化して役員報酬として取れば給与所得控除が受けられるから
- 所得税の税率は累進税率なのに対して、法人税の税率は一定だから
例で説明します。
まず、【個人事業の場合】と【法人化した場合】でかかる税金は次のようになります。
個人事業の場合
- ・所得税
- ・住民税(市民税・県民税)
- ・個人事業税
- ・消費税(3年目から)
法人化した場合
- ・法人税
- ・住民税(市民税・県民税)
- ・法人事業税
- ・消費税(第3期から)
- ・所得税
- ・住民税
このことをふまえて、事例で【個人事業】と【法人】でかかる税金が具体的にどうなるか数字で見てみましょう。
(所得控除 900,000円、課税所得 4,100,000円とする)
個人事業
所得税 | 400,742円 |
---|---|
住民税 | 410,000円 |
個人事業税 | 105,000円 |
合計 | 915,742円 |
法人
法人税 | 0円 |
---|---|
住民税 | 70,000円 |
法人事業税 | 0円 |
合計 | 70,000円 |
(所得控除額 90万とする)
所得税 | 161,828円 |
---|---|
住民税 | 256,000円 |
合計 | 417,828円 |
487,828円
※ 消費税は個人事業でも法人でも同額が3年目(第3期)からかかります。
売上4000万円、卸売業、消費税率8%の場合 320,000円になります。
このように法人化した方がトータルの税金が安くなることがあります。
しかし、注意しなければならないのは社会保険料の負担です。
個人事業の場合、従業員が5人未満であれば社会保険に加入しなくてもよいですが、法人の場合、社長1人でも社会保険への加入が強制されます。
したがって、法人の場合は税金の他に社会保険料の負担も考慮しておく必要があります。
社会保険料(厚生年金と健康保険)は、給与に対して約30%かかり、半分の約15%を給与から天引きし、残りの約15%を法人が負担します。
この社会保険料の負担を考慮すると、法人化した方がかえって負担が増えてしまうということもありえます。
社会保険料は上限がありますので、給与の金額が上限を超えて多くなると負担割合は30%よりも小さくなります。
具体的には、厚生年金は月額の給与が60万5000円以上になれば上がりません。健康保険は月額の給与が135万5000円以上になれば上がりません。
このことから、多額の給与をとる場合には法人化のメリットがありますが、逆に言えば給与がそれほど多くない場合は社会保険料負担を考慮すると、法人化のメリットが受けられないということになります。
ただし、税金は直接自分に返ってこないが、社会保険料は長く生きれば自分に返ってくると考えれば社会保険料の負担を比較する場合に外して考えても良いかもしれません。
ここは、それぞれの方の考え方しだいです。
このあたりのことも、直接お会いしてそれぞれの状況をお聞きした方が適切なアドバイスが可能ですので、ぜひ一度ご来所下さい(相談は無料です(2時間まで))。